【実家を相続したら】住む?売る?貸す?空き家のまま?後悔しないための選び方

遺品整理

住む・貸す・売る・空き家のまま…迷っているあなたへ

親の家を相続した、あるいはこれから相続しそうになったとき。

  • 売るのは親に申し訳ない気がする
  • 空き家のまま置いておくのも良くない気がする
  • きょうだいの意見もバラバラで、何が正解か分からない

こんな気持ちで、心の中がずっと落ち着かない…
もしかしたら、今のあなたはそんな状態かもしれません。

まず最初に、これだけお伝えさせてください。

いま、すぐに完璧な答えを出さなくても大丈夫です。
迷っているのは、ちゃんと親のこと、自分たちのことを考えている証拠です。

この記事では、

  • 「親の家を相続したらどうするか」を考えるときの基本の4つの選択肢
    • 住む
    • 貸す
    • 売る
    • 一旦、空き家として維持する
  • それぞれの特徴や、向いているケース・向いていないケース
  • 迷ったときの考え方のヒント

を、できるだけ落ち着いて整理していきます。

なお、

  • 実家の片付けや遺品整理
  • 家族での話し合いの進め方
  • 空き家の管理

といった「実家じまい全体の流れ」については、別の記事でまとめています。

👉 実家じまいの全体像を知りたい方は
実家じまいの全体マップ|片付け・遺品整理・売却/解体・空き家対策まで
もあわせて読んでみてください。

ここから先は、少し深呼吸しながら、ゆっくり読み進めていただければと思います。

  1. 結論|完璧な正解よりも「方向性」と「期限」を決めること
    1. 「方向性」と「期限」だけでいい理由
  2. まずは「今の状態」をやさしく整理する
    1. 1. 家の状態をざっくり把握してみる
    2. 2. 名義・相続人を確認する(わかる範囲でOK)
    3. 3. 家にかかっているお金をざっくり知る
  3. 選択肢① 親の家に「住む」という選択
    1. 実家に住むのは、親のため“だけ”じゃなくていい
    2. 向いているケース
    3. 向いていないケース
    4. 実家に住む場合に考えておきたいこと
  4. 選択肢② 親の家を「貸す(賃貸に出す)」という選択
    1. 「貸す」は、“手放さずに維持する”真ん中の選択肢
    2. ただし「楽な不労所得」とは限らない
    3. 賃貸に向いているケース
    4. 賃貸に出すときのイメージ
  5. 選択肢③ 親の家を「売る」という選択
    1. 売ることは、親への裏切りではない
    2. 売ることが向いているケース
    3. 売却までの流れ(イメージ)
  6. 選択肢④ とりあえず「空き家として維持する」という選択
    1. 「いまは決められない」も立派な気持ち
    2. 空き家のままにするリスク
    3. 期限付きの「保留」にしてみる
    4. 空き家として維持する場合の、最低限の管理
  7. 4つの選択肢を比べてみる|お金・手間・柔軟性
    1. ざっくりイメージ
    2. 考えるときの質問
  8. 迷ったときは、専門家の“客観的な目”も借りていい
    1. こんなときは、こんな人に相談
  9. さいごに|「正解」よりも、あなたが納得できる選択を

結論|完璧な正解よりも「方向性」と「期限」を決めること

親の家を相続するとき、多くの人が

「売るのが正しいのか」
「空き家にしておいていいのか」
「住まない自分は冷たいのではないか」

と、自分を責めるような気持ちになりがちです。

ですが、ここで大事なのは

✅ 完璧な“正解”を見つけることではなく
今の自分たちなりの「方向性」と「いつまでに決めるか」を決めること

です。

「方向性」と「期限」だけでいい理由

  • 実家をどうするかは、感情・お金・家族関係が全部絡む、大きなテーマです
  • 一度で100点の答えを出そうとすると、心も体も疲れ切ってしまいます
  • いま決めきれないことも、時間を置くことで見えてくるものがあります

だからこそ、

  • 「住む方向で考えるのか」
  • 「貸す・売る方向で考えるのか」
  • 「しばらくは空き家として様子を見るのか」

という「向き」だけを、まず決めてみてください。

たとえばこんなイメージです。

  • 「今は気持ちの整理がつかないので、3年だけは空き家として維持する。その間にきょうだいで話し合って、3年後までに“売るか貸すか”を決める
  • 「子どもが独立する2年後までは今の家に住み続けて、2年後に“実家に住み替えるか”を改めて話し合う

このくらいの“方向性+期限”が決まるだけでも、
心の中のモヤモヤが少し落ち着いてくることがあります。

まずは「今の状態」をやさしく整理する

親の家をどうするかを考える前に、
一つひとつ、状況を整理していきましょう。

ここは、ざっくりで大丈夫です。
「ノートにメモしてみる」くらいの気持ちで読んでみてください。

1. 家の状態をざっくり把握してみる

  • 築何年くらいの家か
  • 雨漏りや大きなヒビ、床の沈みなど、目立つ傷みはあるか
  • そのまま住めそうか、リフォーム前提になりそうか

例)

「パッと見はまだキレイ。でも、よく見るとお風呂がかなり古い…
不動産会社に見てもらったら『リフォームすれば住めるけど、費用も含めて考えたほうがいいですよ』と言われて、
“残す/手放す”を現実的に考えられるようになりました。」

完璧にチェックしなくても、「なんとなくの状態」が分かれば十分です。

2. 名義・相続人を確認する(わかる範囲でOK)

  • 現在の名義は誰か
    • 亡くなった親の名義のままか
    • 片方の親か
    • すでに子ども名義か
  • 相続人は誰か
    • 配偶者
    • きょうだいの数

細かい法律の話までは覚えなくてかまいません。
「だいたい、こんな感じなんだな」と把握しておくだけで、

  • 誰がどれくらい関わるのか
  • 後から揉めそうなポイントはどこか

が見えやすくなります。

3. 家にかかっているお金をざっくり知る

  • 固定資産税はいくらくらいか
  • 管理費、駐車場代など、毎年かかる費用があるか
  • 住宅ローンが残っているかどうか

数字を“正確に”出す必要はありません。
「この家を持ち続けると、毎年どれくらいお金が動くのか」が
ぼんやり分かればOKです。

選択肢① 親の家に「住む」という選択

実家に住むのは、親のため“だけ”じゃなくていい

「親が残してくれた家だから、住んであげたほうがいいのかな…」

そう思う方も多いと思います。
その気持ち自体は、とても自然で、あたたかいものです。

ただ、実際に住むとなると、

  • 通勤や通学の時間
  • 子どもの学校や友達関係
  • 仕事の選び方
  • 地域の暮らしやすさ

といった、あなた自身と家族のこれからにも、大きく影響してきます。

「親のため」だけで決めてしまうと、
後から自分たちが苦しくなってしまうこともあります。

向いているケース

  • もともと地元に戻るつもりがあった
  • リモートワークが中心で、住む場所の自由度が高い
  • 子どもがいない、あるいはすでに独立している
  • 家の状態が比較的良く、リフォーム費用がそこまで大きくなさそう

向いていないケース

  • 通勤が大きく不便になる(片道1時間以上など)
  • 子どもの学校や習い事を変えたくない
  • 夫婦のどちらかが、地元や地域に強い不安を感じている
  • 家がかなり老朽化していて、大きなリフォームが必要そう

実家に住む場合に考えておきたいこと

  • どの部屋をどのように使うか(バリアフリーなども含めて)
  • いま住んでいる家(賃貸・持ち家)をどうするか
  • 将来、その家をまた子どもに渡すのか/渡さないのか

「親の家に住む=親孝行」という考え方に縛られすぎず、
自分たちの生活として続けられるか」を一緒に考えてあげることが、
長い目で見ると、お互いにとって優しい選択になります。

選択肢② 親の家を「貸す(賃貸に出す)」という選択

「貸す」は、“手放さずに維持する”真ん中の選択肢

「実家に住む予定はない。でも、売る決心がつかない」

そんなときに検討されることが多いのが、貸す(賃貸に出す)という選択です。

  • 家賃収入で、固定資産税や管理費をまかなえる可能性がある
  • しばらく人に住んでもらいながら、将来の選び直しもできる

という意味で、「残す」と「手放す」の真ん中のような位置づけです。

ただし「楽な不労所得」とは限らない

一方で、貸すことには

  • 入居者の募集
  • 修繕・設備トラブルへの対応
  • 空室期間のリスク

など、それなりの手間とリスクもあります。

遠方に住んでいる場合は管理会社にほぼ任せることになりますが、
その分の管理費用もかかります。

賃貸に向いているケース

  • 自分たちが将来住む可能性も、まだ完全には捨てていない
  • 実家の立地がそこまで悪くなく、賃貸需要がありそう
  • 管理会社にある程度任せながら、賃貸として維持してもいいと思える

賃貸に出すときのイメージ

  1. 地元の不動産会社に「この家を貸したら、家賃はいくらくらいか」を相談
  2. 賃貸に出すために必要なリフォーム・クリーニングの見積もりを取る
  3. 管理を自分たちでするか、管理会社に委託するかを決める
  4. 募集・契約・入居後の管理へ

「貸す」という選択肢は、
「今は決めきれないけれど、完全に手放すのも怖い」という気持ちに対する
現実的な折り合いのひとつと言えます。

選択肢③ 親の家を「売る」という選択

売ることは、親への裏切りではない

「実家を売るなんて、親に申し訳ない」
「親の思い出をお金に変えるようで、罪悪感がある」

そう感じる方も、とても多いです。

でも、少し視点を変えてみると、

  • 固定資産税や管理費などの継続的な負担をなくせる
  • 遠方からの管理や草むしりなどの精神的負担から解放される
  • 現金にすることで、きょうだい間の分け方が分かりやすくなり、トラブルを減らせる

という側面もあります。

親が残してくれた家を、

「これからの自分たちの生活や老後の安心」に変える

という考え方も、決して間違いではありません。

売ることが向いているケース

  • きょうだい全員、実家に住む予定がない
  • 実家がある地域に、今後住むイメージが持てない
  • 老朽化が進んでいて、住むにも貸すにも多額の修繕費が必要
  • 親が生前、「売ってもいいよ」と話していた

売却までの流れ(イメージ)

  1. 不動産会社に査定を依頼(できれば複数社)
  2. 仲介で売るか、業者に買い取ってもらうかを検討
    • 仲介:売却価格は高くなりやすいが、時間がかかることも
    • 買取:価格は下がるが、早く・確実に現金化しやすい
  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 内見対応・条件の調整
  5. 売買契約・引き渡し

「売る」という選択は、
あなたや家族の人生を前に進めるための、一つの手段です。

心が追いつかないときは、
「今すぐ決めなきゃ」ではなく、情報を集めながら少しずつ心を慣らしていくイメージで考えてみてください。

選択肢④ とりあえず「空き家として維持する」という選択

「いまは決められない」も立派な気持ち

親を亡くした直後や、親が施設に入ったばかりのタイミングで、
実家のことを冷静に決めるのは、とても難しいことです。

「せめて三回忌までは、そのまま残しておきたい」
「気持ちの整理がつくまで、少し時間がほしい」

そんな気持ちも、とてもよく分かります。

その場合、一時的に「空き家として維持する」という選択も、もちろんアリです。

ただし、「何も考えずに空き家のまま」は、
長い目で見るとリスクもあります。

空き家のままにするリスク

  • 老朽化が進み、修繕費が高くなる
  • 雑草やゴミ、不審者などで近隣トラブルになる可能性
  • 空き家に関する法律・条例の対象になることも

「空き家=悪い」ではなく、
「期限を決めずに空き家のまま」がつらくなりやすいのです。

期限付きの「保留」にしてみる

おすすめしたいのは、

「〇年までは空き家として維持する。その間に、家族で方針を話し合う」

という “期限付きの保留” です。

  • 三回忌まではそのまま
  • 子どもの進学や引っ越しのタイミングまで
  • 自分の仕事の状況が落ち着くまで

あなたの心と生活のペースに合わせて、
「このくらいなら考え直せそう」というタイミングを決めてみてください。

空き家として維持する場合の、最低限の管理

  • 定期的な換気・清掃
  • 郵便物やチラシのチェック
  • 草むしりや庭木の手入れ
  • 遠方の場合は、見守りサービスや管理サービスの利用も検討

空き家管理や片付けについては、

👉 「実家じまいの全体マップ|片付け・遺品整理・売却/解体・空き家対策まで
に、もう少し詳しく書いています。

4つの選択肢を比べてみる|お金・手間・柔軟性

ここまで読んでいただいて、
「あれもこれも…」と、逆に迷いが増えてしまっていたら、ごめんなさい。

最後に、少し整理してみましょう。

ざっくりイメージ

選択肢お金の負担の軽さ手間の少なさ将来の選び直しやすさ
住む△〜◯△〜◯
貸す△〜◯
売る◎(維持費ほぼゼロ)△(手放す)
一旦空き家△〜◯

※あくまで目安です。実際にはご家庭の事情によって変わります。

考えるときの質問

もしよかったら、次の質問を、ゆっくり心の中で読んでみてください。

  • この先10年くらいのあいだに、誰かがその家に住む可能性はありますか?
  • 実家の管理に、今の生活の中でどれくらい時間や手間をかけられそうでしょうか?
  • 「何もしないまま固定資産税を払い続ける」余裕はありますか?
  • きょうだいみんなが、“なんとか納得できる”のはどの方向でしょう?

完璧な答えを目指さなくて大丈夫です。
「なんとなく、この方向かな…」という感覚が見えてきたら、それで十分です。

迷ったときは、専門家の“客観的な目”も借りていい

家のこと・相続のことは、
家族だけで話していると、どうしても感情が大きくなりがちです。

そんなときは、
第三者の視点を少しだけ借りてみるのも、一つの方法です。

こんなときは、こんな人に相談

  • 実家を売るか貸すかで迷っている
    → 地元の不動産会社(できれば複数社)
  • 相続人が多く、話が複雑になりそう
    → 相続に詳しい司法書士・弁護士
  • 相続税がかかりそう・ほかにも資産がある
    → 相続に強い税理士

「相談する」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、
最初は“話を聞いてみる”くらいの気持ちで大丈夫です。

さいごに|「正解」よりも、あなたが納得できる選択を

ここまで、かなり長い文章を読んでくださってありがとうございます。

親の家をどうするかは、
正解が一つに決まっている問題ではありません。

  • 親の思い出
  • 自分たちの暮らし
  • お金の不安
  • きょうだいとの関係

すべてを一度に背負おうとしたら、
誰だって苦しくなってしまいます。

どうか、

「ちゃんと迷っている自分」
「簡単に決めないで考えている自分」

を、少しだけ認めてあげてください。

そしてもし、実家全体の片付けや、
きょうだいとの話し合い方も気になってきたら、

👉 「実家じまいの全体マップ|片付け・遺品整理・売却/解体・空き家対策まで

も、あなたのペースで読んでみてください。

このページが、
親の家と向き合うときの「心の支え」と「考えるための土台」の、
そのどちらかにでもなれたら、うれしいです。

コメント