はじめに:片づけながら、涙とありがとうがこみ上げた
遺品整理をしていると、
懐かしい写真や手紙、思いがけないメモが出てくることがあります。
「もう会えないけれど、ここに生きていたんだな」
そう感じた瞬間、手が止まり、胸が温かくなる。
この記事では、筆者自身の体験をもとに、
遺品整理を通して感じた「心の変化」と「家族のつながり」についてお話しします。
① 最初は“片づけ”のつもりだった
親が亡くなってから数週間後、
実家の整理を始めようと思ったのは、「早く片づけなければ」という気持ちからでした。
でも、タンスの引き出しを開けた瞬間に出てきたのは──
懐かしい写真、私が幼い頃に描いた絵、母の手書きのメモ。
「これは捨てられない」
そう思ううちに、作業は止まり、ただ静かに思い出を眺めていました。
② モノを通して見えてきた“親の生き方”
遺品を見ていくうちに、
親の価値観や生き方が少しずつ浮かび上がってきました。
使い古された裁縫道具 → 「物を大切にする人だった」
ノートにびっしりの家計簿 → 「家族を支えてくれていた」
押し入れの奥の旅行パンフレット → 「行けなかった夢があったのかも」
モノのひとつひとつが、
親の人生そのものを語っているように感じました。
③ “ありがとう”と“ごめんね”が混ざる時間
整理を進める中で、
「もっと話をしておけばよかった」という後悔と、
「ここまで頑張ってくれてありがとう」という感謝が交互に押し寄せてきました。
でも、泣きながら手を動かすうちに気づいたのです。
「今この時間が、親と話しているような気がする」
遺品整理は、心の対話の時間でもありました。
④ 家族と一緒に整理してよかったこと
一人ではつらい作業も、家族と一緒にすると心が軽くなります。
思い出話をしながら笑えた
兄弟で「これ、覚えてる?」と共有できた
残す・手放すを話し合う中で価値観を知れた
💡 遺品整理は、家族の絆をもう一度確かめる機会。
誰かと一緒に進めることで、悲しみの中にも温かさが生まれます。
⑤ 手放したあとに残ったのは“感謝の気持ち”
すべてを片づけ終えたとき、
部屋はすっきりしたのに、不思議と心は満たされていました。
モノを手放したのではなく、
「親から受け継いだ想いを、ちゃんと心に残せた」
そんな感覚でした。
おわりに:遺品整理は「お別れ」ではなく「引き継ぎ」
遺品整理を通して、私は“別れ”ではなく“継承”を感じました。
モノは減っても、想いは残る。
そしてそれは、次の世代へと受け継がれていく。
遺品整理は、親との最期の会話であり、家族の未来への一歩です🌿
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