はじめに:家の中の“ちょっとした危険”が大きな事故に
高齢の親が暮らす家は、長年住み慣れた場所でありながら、
実は危険が潜んでいることが多いです。
段差、滑る床、暗い照明──。
こうした「小さなリスク」が転倒や骨折の原因になります。
この記事では、介護が始まる前に確認しておきたい
実家の危ない場所と、簡単にできる安全対策を紹介します。
① 玄関:段差と靴の散乱に注意
玄関は外出時に必ず通る場所。
段差がある家では転倒リスクが高くなります。
チェックポイント
上がり框(かまち)の段差が高い
スリッパや靴が散らかっている
玄関マットが滑りやすい
対策
手すりを取り付ける(吸盤式・L字型が便利)
滑り止めマットを敷く
よく使う靴だけを出しておく
💡 ワンポイント:
「靴ベラ付き手すり」は姿勢を崩さず立ち上がれるのでおすすめ。
② 廊下・階段:照明と手すりを強化
夜のトイレや移動時に多いのが“暗くて見えずに転倒”という事故。
チェックポイント
廊下や階段の照明が暗い
手すりが片側だけ、またはない
絨毯やマットが浮いている
対策
人感センサーライトを設置
両側に手すりを取り付ける
滑り止めシートを階段に貼る
💡 100円ショップでもLEDセンサーライトが手に入る!
③ トイレ・浴室:滑りやすさと温度差に注意
家庭内事故で最も多いのが浴室とトイレ。
転倒やヒートショック(急な温度変化)に注意が必要です。
チェックポイント
床が滑りやすい
手すりがない
脱衣所が寒い
対策
介護用マット・滑り止めシートを活用
入浴前に暖房器具で温める
入口や浴槽のそばに手すりを設置
💡 ヒートショック防止には「暖房付きトイレ」や「脱衣所ヒーター」も有効。
④ 居間・寝室:つまずきやすい物をなくす
毎日過ごす場所ほど、モノが多くて危険になりがち。
チェックポイント
カーペットやコードに足が引っかかる
電気コード・延長コードが床に出ている
ベッドの高さが合っていない
対策
コード類は壁沿いにまとめる
ベッド周りを整理して歩行スペースを確保
ベッドの高さを“立ち上がりやすい高さ(膝より少し高め)”に調整
💡 照明リモコンやナイトライトを枕元に置いておくと夜も安心。
⑤ 台所:火と転倒、両方に注意
料理中の火の扱いや、床の水こぼれが危険です。
チェックポイント
ガスコンロの火が見えにくい
換気扇の操作が届きにくい
床が滑る(油汚れ・水漏れ)
対策
IHクッキングヒーターに切り替える
よく使う調理器具は低い位置に収納
マットに滑り止めを敷く
💡 IH+自動消火機能なら火事リスクを大幅に減らせます。
おわりに:小さな改善が“大きな安心”に
家の危険は、“見慣れているから気づかない”だけ。
親が転倒してから慌てるより、
今のうちに1つずつ安全対策を進めることが、何よりの備えです。
次回は、
▶ 「介護が始まるときに慌てないための連絡・手続きまとめ」
を紹介します🌿
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