エンディングノートとは?その本当の意味を知っていますか
「エンディングノート」という言葉を聞くと、
“死を意識した少し暗いもの”という印象を持つ方が多いかもしれません。
でも実際には、エンディングノートは「これからを安心して生きるためのノート」です。
人生を締めくくるためではなく、“今を整えるため”の記録なのです。
自分の想い・家族へのメッセージ・大切な情報をまとめておくことで、
万が一のときに家族が困らず、そして自分の気持ちも整理されます。
最近では「終活ノート」「マイライフノート」「私のノート」など、
さまざまな名前で販売されており、書き方も自由。
一冊のノートから、自分らしい生き方を見つめ直す人が増えています。
エンディングノートは「人生の棚卸しノート」
多くの人がエンディングノートを書くときに感じるのは、
“思い出を振り返る時間が楽しい”ということ。
書き進めるうちに、
「こんなにいろんなことを経験してきたんだな」
「家族や友人との思い出って本当に宝物だな」
と気づくことが多いのです。
つまり、エンディングノートは“死のためのノート”ではなく、
「生きてきた証を丁寧に残すノート」。
人生の棚卸しをすることで、これからの生き方が少しずつクリアになります。
エンディングノートと遺言書の違いを整理しよう

エンディングノートと遺言書は混同されがちですが、目的も性質も違います。
| 比較項目 | エンディングノート | 遺言書 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 想いや情報を整理する | 財産や遺産を正式に指定する |
| 法的効力 | なし | あり(公正証書遺言など) |
| 書き方 | 自由、形式不問 | 厳格な形式が必要 |
| 内容 | 生活・想い・医療・葬儀など | 財産の分配に関すること |
| 更新のしやすさ | 自由に何度でも更新可 | 修正には手続きが必要 |
つまり、
「気持ちを書きたい」→ エンディングノート
「財産を明確にしたい」→ 遺言書
と使い分けるとよいでしょう。
まずは自由度の高いエンディングノートから始めて、
慣れてきたら必要に応じて遺言書を考える流れが自然です。
親がエンディングノートを書くと得られる3つの安心
① 自分自身の「整理ができる」安心感
年齢を重ねると、頭の中に“やっておきたいこと”が増えます。
エンディングノートは、情報や気持ちを整理する「心の片付け」になります。
特におすすめなのが、
- 医療・介護の希望
- 連絡先・アカウント情報
- 思い出・メッセージ
など、“今の自分”を明文化して残すこと。
書きながら「これからどう生きたいか」が見えてくることもあります。
② 家族に「迷惑をかけない」安心
突然の入院やもしものとき、
「どこの銀行?」「保険は?」「連絡先は?」と家族が慌てるケースは少なくありません。
エンディングノートにまとめておけば、
家族は「やるべきこと」が明確になり、心理的な負担が軽減されます。
これは“未来への思いやり”そのものです。
③ 「想いを伝えられる」安心
遺言書では伝えにくい“ありがとう”や“ごめんね”。
エンディングノートなら、それを素直に残せます。
「お父さんへ、今まで家族を守ってくれてありがとう。」
「子どもたちへ、あなたたちが幸せでいてくれればそれでいい。」
書くことで、心が軽くなる人も多いです。
エンディングノートは、「愛情を形にするツール」でもあるのです。
親にエンディングノートを勧めるときの伝え方
「お母さん、そろそろ終活をしたほうがいいよ」と言ってしまうと、
どうしても構えてしまいます。
そんなときは、“自分ごととして話す”のがコツ。
「私も自分のことをノートにまとめておこうと思って」
「この前、友だちが書いてて便利そうだった」
こうした軽いトーンで話すと、親の警戒心が下がります。
また、いきなり「全部書こう」とせず、
まずは「書きやすい部分」から一緒に始めてみましょう。
- 連絡先
- 医療や介護の希望
- ペットや家のこと
「無理なく、少しずつ」が長続きのコツです。
親と一緒に書くときの進め方(実践ステップ)

Step1:テーマを決める
1冊全部を書こうとせず、「医療」「思い出」「財産」などテーマごとに分けましょう。
テーマが明確だと、話し合いもスムーズになります。
Step2:話しながら書く
質問を投げかけるように進めるのがおすすめ。
「小さい頃の思い出で一番印象に残ってることは?」
「どんなお葬式が理想?」
書くことよりも、“話しながら思い出を整理する時間”を楽しむのが大事です。
Step3:定期的に見直す
エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。
生活や気持ちが変われば、内容も変わります。
「1年に1回、家族で見返す日」をつくるのも良い習慣です。
家族で書くことで見えてくる「これから」
エンディングノートは“個人のため”だけではなく、
家族にとっても「会話のきっかけ」になります。
ある人は言いました。
「母とノートを開いたことで、昔よりも穏やかに話せるようになった」
もう一人はこう言いました。
「親の希望を聞いておけたことで、後悔しない決断ができた」
エンディングノートが生むのは、
“死への準備”ではなく“心のつながり”。
親との時間を見つめ直すきっかけにもなります。
書くことに抵抗がある親へ、伝えたいこと
「そんなの縁起でもない」「まだ早い」と言う親も多いでしょう。
その気持ちは自然なことです。
そんなときは、
「終活って“死ぬ準備”じゃなくて“安心の準備”なんだよ」
と、やさしく伝えてみてください。
終活という言葉に含まれる“終わり”のイメージを、
“これからを整える”という前向きな言葉に変えてあげる。
それだけで、心のハードルが下がります。
まずは一冊、気軽に始めてみよう
特別なノートでなくても大丈夫。
手持ちのノートやメモ帳、パソコン、スマホアプリでも構いません。
大切なのは「書く形」ではなく「考える時間」。
たとえ1行でも書けたなら、それは立派な第一歩です。
「これを書いておこうかな」
「これを残しておきたいな」
そんな思いつきから始めることで、
少しずつ“心の安心”が積み重なっていきます。
まとめ:エンディングノートは“生き方を整えるノート”
エンディングノートは、
人生を締めくくるものではなく、これからを穏やかに生きるための道しるべです。
書くことで心が軽くなり、家族との絆も深まる。
それは、終活というより“心活(こころかつ)”かもしれません。
終活とは、今を大切に生きるための準備。
エンディングノートは、未来への手紙です。
今日、たった1ページでも構いません。
親と一緒に、あなた自身の“これからノート”を開いてみませんか。


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