親が亡くなったらする手続き一覧と期限|死亡後1年間のチェックリスト

相続・お金

親が亡くなったあとは、気持ちが追いつかないまま、
「役所の手続き」「年金や保険」「相続のこと」など、やることが一気に押し寄せてきます。

結論から言うと——
1年間の手続きは、「期限のあるものから少しずつ」で大丈夫 です。

すべてを完璧に、短期間で終わらせる必要はありません。
このページでは、「いつまでに」「どんなことを」やればいいのかを、1年分まとめて整理します。

「危篤・訃報の連絡を受けた直後の24時間にまず何をすればいいか」は、別記事の
『親が危篤・訃報の連絡を受けたときにまず読む記事|最初の24時間ガイド』
でくわしくまとめています。

また、葬儀や四十九日までの流れ全体は、
『訃報から四十九日までの流れ|いま不安でも大丈夫。やることを一緒に整えましょう』
もあわせて見てもらえるとイメージしやすいと思います。

地域や状況によって必要な手続きは変わりますので、
最終的には、市区町村・年金事務所・税務署・金融機関などの案内を優先してください。

※本文中の「7日以内」「4ヶ月以内」「10ヶ月以内」といった期限は、日本の一般的な法令・制度に基づく目安です。
実際の必要手続きや期限は、地域・加入制度・家族構成などによって変わるため、最終的には市区町村・年金事務所・税務署・専門家などに確認する前提で使ってください。

1. 最初に知っておきたい「1年間のざっくり全体像」

まずは、親が亡くなってから1年間のおおまかな流れをイメージしてみましょう。

ここでは、よく出てくる期限をベースに、6つのゾーンに分けて整理します。

  1. 〜7日以内
  • 死亡届・火葬(埋葬)許可の手続き
  • 葬儀・火葬前後の実務
  1. 2週間〜1ヶ月以内
  • 健康保険・介護保険・年金など、公的な手続き
  • 勤務先・保険会社・金融機関などへの連絡
  1. 1〜3ヶ月以内
  • 遺品整理・公共料金・サブスクなどの整理
  • 相続の話し合いを始める準備(ざっくり財産の把握)
  1. 4ヶ月以内(必要な人だけ)
  • 亡くなった人の「準確定申告」(生前の所得に関する確定申告)
  1. 10ヶ月以内(必要な人だけ)
  • 相続税の申告・納付
  1. 1年以内
  • 一周忌までの法要・お墓・納骨のこと
  • 今後の暮らし・お金の見直し

葬儀〜四十九日までの「最初の山」は、
訃報から四十九日までの流れ
でタイムライン形式でも整理しています。

このあと、それぞれのゾーンで「代表的な手続き」と「この時期の考え方」を見ていきます。

2. 亡くなってから7日以内にやること(多くは葬儀社がサポート)

死亡届と火葬(埋葬)許可のこと

人が亡くなったときは、死亡届の提出が必要です。
通常は、医師から渡される「死亡診断書」と一体になった用紙を使います。

  • 提出先:市区町村役場(死亡地・本籍地・届出人の住所地のいずれか)
  • 期限の目安:死亡の事実を知った日から7日以内(国内の場合)
  • いっしょに行うこと:火葬(埋葬)許可証の交付手続き など

実際には、葬儀社が代わりに提出してくれるケースも多いので、
葬儀の打ち合わせの際に「死亡届の手続きはどうなりますか?」と確認しておくと安心です。

世帯主変更など「一緒にできる市区町村の手続き」

市区町村では、死亡届のタイミングや四十九日前後に、次のような手続きも必要になることがあります。

  • 世帯主の変更届
  • 住民票の除票の取得
  • 国民健康保険・後期高齢者医療保険・介護保険の資格喪失手続き
  • 葬祭費・埋葬料などの支給申請(該当する人)

一度に全部終わらせる必要はありませんが、
「役所に行くときは、まとめて相談する」という意識でいると、手間が少なくて済みます。

この時期は「全部やる」より「漏らさない」が大事

葬儀の準備や親戚対応で、心も体もフル稼働になりがちな時期です。

  • できるだけ 葬儀社・役所の人に頼る
  • 「今できなかったことは、メモだけしておく」
  • 詳しい書類の準備は、四十九日が過ぎてからでもOK

このくらいの気持ちで十分です。

危篤・訃報の連絡を受けてからの最初の1日は、
親が危篤・訃報の連絡を受けたときにまず読む記事|最初の24時間ガイド
に「やること3つだけ」でまとめています。

3. 2週間〜1ヶ月以内にやること

葬儀が終わり、少し落ち着いてきたら、
公的な手続きや「生活に直結するもの」から 少しずつ手を付けていきます。

健康保険・介護保険の手続き

次のような手続きが必要になることがあります(加入状況によって異なります)。

  • 国民健康保険・後期高齢者医療保険の資格喪失届
  • 健康保険証の返却
  • 葬祭費・埋葬料などの支給申請(該当する場合)
  • 介護保険証の返却・資格喪失の届出
  • 未払いの医療費・高額療養費の精算 など

役所や健康保険組合の窓口で
「家族が亡くなったときの手続きについて相談したい」と伝えると、
必要な手続きを一通り教えてもらえることが多いです。

年金の停止・遺族年金の手続き

年金を受け取っていた場合は、年金を止める手続きが必要です。
あわせて、条件を満たす場合は 遺族年金の手続きも検討します。

  • 年金事務所・共済組合・市区町村など、窓口は年金の種類によって異なる
  • 「年金を受け取っていた親が亡くなった」と伝えると、必要な届出を案内してもらえる

手続きの書類が多くて戸惑いやすいので、
わからないところは窓口でそのまま質問してOKです。

勤務先・保険会社・金融機関などへの連絡

  • 勤務先(現役で働いていた場合)
  • 生命保険・共済などの保険会社
  • 銀行・証券会社(名義人が亡くなったことの連絡)
  • クレジットカード会社・ローン会社 など

「いつまでに絶対」という期限はものによって違いますが、
連絡が早いほど、後の手続きがスムーズになります。

ポイント:
いきなり細かい書類まで揃えなくても、
「親が亡くなったので、今後の手続きの流れを教えてください」と
まずは“確認の電話”からで大丈夫です。

葬儀費用や見積もりの考え方を整理したいときは、
『葬儀費用の相場と内訳|急いで決めなくて大丈夫。考え方と見積りの見方』
を先に読んでおくと、予算と手続きのイメージがつかみやすくなります。

4. 1〜3ヶ月以内にやっておくと楽になること

四十九日が過ぎるころから、少しずつ「次のステップ」を意識していきます。
この時期は、急がないけれど、後回しにしすぎると負担が増えることを中心に。

遺品整理をどう進めるか

遺品整理は、心の整理とも重なるため、ペース配分が大切です。

  • 最優先は「生活に必要なスペースを確保すること」
  • 着物・アルバム・手紙など、迷うものは一時保管でもOK
  • 親族で分ける予定のものは、「誰に何を渡すか」をざっくりメモ

一気に全部を片付けようとすると、体力的にも精神的にも苦しくなりがちです。
「今日はこの引き出しだけ」 くらいの小さな単位で進めましょう。

実家の片付けの心構えや準備については、
『親の家の片付けを始める前に知っておきたい3つの準備』
で「片付ける前に考えておきたいこと」を詳しくまとめています。

口座・公共料金・サブスクの整理

  • 電気・ガス・水道・電話・インターネットなどの名義変更・解約
  • サブスクサービスや会員サービスの確認・解約
  • 銀行口座・証券口座などの残高・通帳の確認

ここで大切なのは、「何がどこにあるか」をまず書き出すことです。

  • すぐに解約するもの
  • 名義変更して使い続けるもの
  • 相続の話し合いが終わるまで触らないもの

この3つに分けておくと、その後の相続手続きがぐっと楽になります。

「お金や契約がどこにあるのか」を親が元気なうちから整理しておきたい場合は、
『親が元気なうちにしておくべきお金と手続きのこと』
も、あわせて家族で読んでおくと安心です。

相続の話し合いを始めるタイミング

相続の話し合い(誰が何を相続するか)は、
感情も絡むため、タイミングと進め方がとても大切です。

  • 親族の気持ちが少し落ち着いてから
  • 「まずは全体の把握だけ」というスタンスで集まる
  • 話が込み入ってきたら、専門家に同席してもらうことも検討

「話し合いのスタート=最終決定の日」ではありません。
“現状の整理会”から始めるくらいのつもりで十分です。

5. 4ヶ月以内に検討・対応すること(準確定申告)

そもそも準確定申告とは?

故人に収入があった場合、その年の分の所得税について、
相続人が代わりに行う確定申告を 「準確定申告」 と呼びます。

  • 期限の目安:
    親が亡くなったことを知った日の翌日から4ヶ月以内
  • 対象になる例:
    給与所得・年金・事業所得・不動産所得などがある場合 など

必要かどうかのざっくり目安

準確定申告が必要かどうかは、

  • 親がどんな収入を得ていたか
  • これまで確定申告をしていたか
    などによって変わります。

分からないときは、
税務署や税理士への「相談だけ」でもOKです。

「親が亡くなったのですが、準確定申告が必要かどうか知りたいです」
と伝えると、必要な情報を聞き取ったうえで案内してもらえます。

一人で抱え込まないことがいちばん大事

税金の話になると、一気にハードルが上がったように感じるかもしれません。
でも、ここは最初から専門家に頼る選択肢もふつうです。

  • 「自分で全部理解してから」ではなく
  • 「分からないから相談する」でOK

その姿勢のほうが、結果的にミスやトラブルも減らせます。

6. 10ヶ月以内に検討・対応すること(相続税)

相続税の申告が必要なケースかどうか

相続税の申告・納付が必要になるのは、
相続財産の金額が一定のラインを超える場合です。

  • 不動産(自宅・土地など)
  • 預貯金・有価証券
  • 生命保険金の一部 など

相続税がかかるかどうかの目安は複雑なので、
「もしかしたら……?」と思った時点で、早めに専門家へ相談しておくと安心です。

  • 期限の目安:
    親が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内

財産の洗い出しは「ざっくり」からでOK

いきなり1円単位で完璧なリストを作ろうとしなくて大丈夫です。

  • どこに、どんな種類の財産がありそうか
  • 借入金やローンなど、マイナスの財産はあるか
  • 遺言書の有無

こうした 「全体の輪郭」 から整理していくだけでも、
専門家に相談するときの材料としてとても役立ちます。

7. 1年以内に考えること(法要・お墓・これからの暮らし)

一周忌までの法要・お墓・納骨のこと

四十九日がおわると、

  • 納骨のタイミング
  • 一周忌法要をどうするか
  • お墓にするのか/納骨堂・樹木葬など別の選択肢にするのか

といったテーマも、少しずつ現実味を帯びてきます。

ここは、家族それぞれの事情と気持ちを大切にしながら決めていくところです。

  • まずは「お墓の全体像」を知る
  • 見学や資料請求は、無理のないタイミングで
  • 迷ったら、「今年はここまで」「続きは来年考える」でもOK

お墓について全体像をつかみたいときは、
『お墓の全体像|5分でわかる「場所・形式・費用・決め方」入門』
を読んでから見学や相談に進むと、話がスムーズです。

暮らしとお金の“これから”を整えていく

親の死は、同時に 自分たちのこれからを考えるきっかけにもなります。

  • 実家をどうするか(住み続ける/貸す/売る/しばらく保留)
  • 兄弟姉妹との関係をどう続けていくか
  • 自分たちの終活やエンディングノートを少しずつ書いてみる など

1年という時間は、
「悲しみを忘れるため」ではなく、
「一緒に過ごした時間を抱えたまま、次の一歩を決めていくため」の期間
だと考えてもらえたらと思います。

8. 今日やる一歩・チェックリスト(まとめ)

最後に、このページを閉じたあとにやることを、できるだけ小さくまとめました。

今日やることチェックリスト

  • いま自分がどのゾーン(〜7日/〜1ヶ月/〜3ヶ月…)にいるかを確認する
  • 「今週やること」「来月以降でよいこと」をざっくり紙に書き分ける
  • 役所・年金事務所・保険会社など、「どこに相談すればよさそうか」だけメモする
  • ひとりで抱えないために、家族や信頼できる人に「今の状況」を短く共有する

心が追いつかないときに読んでほしいひと言

1年間の手続きは、「忘れてはいけないこと」を
一つひとつ思い出していく作業でもあります。

すべてを完璧にこなす必要はありません。
期限のあるものから、少しずつで大丈夫です。

うまく進まない日があっても、それは“失敗”ではなく、
それだけ親との時間を大切にしてきた証拠だと、私は思います。

「何から手をつければいいか分からない」と感じたときは、

に戻って、“今いる場所”だけを一緒に確認してもらえたら嬉しいです。

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