まずは深呼吸をひとつ。いますぐ全部を完璧にしなくて大丈夫です。
このページは、いちばん不安が大きい時期に、家族が迷わず動けるように作りました。
そして、元気なうちにできる生前の整えも、今日から1つずつ進められるように。
このページでわかること
- いま、何をしなくていいかがわかる(後回しOKリスト)
- 生前にやることの順番が、相続・お金に特化して整理できる
- 死亡直後〜14日の流れが、やさしい言葉で見渡せる
- 必要があれば詳細記事へ安全に進める
税金・不動産・相続放棄など重たい判断は別記事で丁寧に案内します(必要なときに、必要なだけ)。
後回しOKリスト(いま決めなくていいこと)
- 相続税の計算・不動産の名義変更・遺産分割の細かい配分
- クレジットカードの解約やサブスクの細かい整理(止めるだけ先に)
- 遺言の解釈に迷うときの判断(勝手に開封せず、別記事へ)
まずは人と時間を整えることが先。お金や書類の重たい話は、落ち着いたら。
生前にできる整え

目的は「所在が分かる・受取人が正しい・家族が迷わない」の3点だけ。金額や細かな商品内容は後日でOKです。
1) 財産目録ミニ版(“所在だけ”でOK)
- 書く項目:金融機関・証券会社・保険会社の社名/口座種別(普通・定期・NISA など)/担当支店・窓口名が分かれば任意
- 書かない:残高・ログインID・パスワード(安全のため後日)
- 置き場所:クリアファイル1冊に「財産目録(所在版)」として綴じる
- 共有:写真を家族代表に共有。表紙に更新日を記入
2) 受取人・名義の“健全性チェック”
- 生命保険の受取人:配偶者が亡くなっている/旧姓のまま 等は至急見直し
- 古い口座:休眠予備軍は解約候補に付箋。通帳を1カ所へ集約
- 自動引落しの洗い出し:公共料金・携帯・サブスクの会社名だけを目録に追記
- 安心メモ:受取人名の更新だけで、手続きの9割がスムーズになります
3) 共有の仕組み(安全第一)
- 家族代表を1人。写真共有は残高が写らないように
- ID・パスワードは書かない:代わりに「保管場所(金庫/封筒/アプリ名)」を記す
- 更新ルール:半年に1回、表紙の更新日を上書き。変更が無ければ「変化なし」と記録
4) デジタル資産の見える化

- ネット銀行・ネット証券・ポイント・有料サブスクのサービス名を列挙
- スマホロック:解除方法の保管場所(誰が知っているか)を明記
- 2段階認証:リカバリコードや認証端末の所在だけメモ(コード本文は書かない)
5) 借金・保証のリスクメモ
- 住宅ローン・カードローン・連帯保証の有無を有/無で
- 税・医療費・家賃等の未払いの可能性をチェック
- 安心メモ:負債の可能性が高ければ、相続放棄・限定承認の記事へ(早めの検討が安心)
6) 将来の備え(制度の“方針だけ”)
- 遺言書:作る/作らないの方針メモ。法務局保管制度の検討 → 詳細は [/will-basics/] へ
- 死後事務委任契約:葬儀・役所手続き・家の片付けを頼める契約の存在だけ覚えておく → [/postmortem-tasks/]
- 任意後見契約/家族信託:判断力低下に備え、お金の管理役を決める選択肢 → [/guardianship-trust/]
- 安心メモ:ここは決めなくてOK。「必要なときに読む」ための目印だけ置く
7) 不動産・実家のメモ

- 権利証(登記識別情報)の場所/固定資産税の納付書の保管場所
- 自宅の種別:持家/賃貸/公営 等、共有名義の有無
- 空き家リスクが見えたら、後日 [/inheritance/real-estate/] で方針確認
8) 贈与は“慎重に”の付箋
- 年間の暦年贈与や相続時精算課税は、状況によって負担や手続きが変わるため専門家への相談を推奨
- まず“所在の見える化”が先
9) 半年に一度の棚卸しルーチン
- 表紙の更新日を上書き/変更点を1行で追記
- 代表者が家族にスクショ1枚を共有
- 迷ったら「所在だけ増やせば十分」――金額や詳細は、必要になってから
代表者の進め方(家族を安心させる行動)

- 役割を小さく分ける:A=戸籍、B=銀行、C=保険、D=連絡
- 共有ノート:進捗を1行だけ記録(誰が/何を/いつ)
- 感謝を言葉に:代表者は「ありがとう」を口癖に。雰囲気が作業速度を決めます
迷ったら「今、私たちがやるべき最小のことは?」と自分に質問。答えは必ず小さい行動です。
死亡直後〜14日の流れ
ここはいちばん不安が大きい時間。項目ごとに“ひとこと目安”と、起こりがちな困りごと→その場での解法を載せました。
まずやる3つ
- 家族の連絡網を確定(第一・第二連絡先/代表者を1人)
- 書類ファイルを1冊(死亡診断書のコピー/領収書/戸籍の受け取りはここへ)
- 葬儀・火葬の段取りだけ決める(費用は概算でOK。立替者を一時的に決める)
1) 医師の説明・死亡診断書(直後)
- 目安:当日〜翌日/病院や医師の案内に従う
- ポイント:診断書は複数部のコピーを。原本は大切に保管
- 安心メモ:わからないときは「どれが原本ですか?」とその場で聞けばOK
困りごと→解法
- 原本が1通しかなく不安→ 病院に再発行の可否を確認。提出先が原本必須か先に電話で聞く。
- 深夜で頭が回らない→ メモアプリに「日付・場所・担当者名・言われたこと」を箇条書き。翌朝に整理。
2) 家族・近しい人への連絡(直後)
- 目安:当日〜翌日
「いま知らせだけ。詳細は明日また連絡します。役割分担を相談したいので、明日19時に10分通話できますか?」
困りごと→解法
- 兄弟で方針が割れる→ いきなり結論を出さず、役割だけ決める(A=連絡、B=見積、C=書類)。
- 遠方の家族が今すぐ来られない→ 参加できない人向けに音声メモで経過を共有。
会話例(兄弟グループ)
あなた:「今日は結論を出さず、役割だけ決めよう。私は代表で進行、Aは葬儀社見積、Bは書類。明日19時に10分だけ」
3) 葬儀・火葬の段取り(1〜2日)

- 目安:葬儀社と日程のすり合わせ/形式は今決められる範囲で
- コツ:見積は内訳(式場・火葬・お花・返礼品)だけ確認。「今日は合計の目安だけで大丈夫です」と伝える
- 領収書:後で必要になることがあるので全部1ファイルへ
困りごと→解法
- 見積が高い/比較したい→ 「仮押さえできますか?」と確認し、翌朝までに2社だけ相見積。
- 宗教者・菩提寺の有無が不明→ 親族に1回だけ一斉連絡→返答が遅ければ無宗教式も検討。
- 写真や思い出の準備が間に合わない→ スマホ写真を家族で共有アルバムに集め、式場のスライドはテンプレで最小限に。
会話例(葬儀社へ)
あなた:「今日決めるのは日程と概算だけにしたいです。内訳の目安を見せてもらえますか? 相見積りのため明日10時まで仮押さえできますか?」
4) 届出・連絡(〜14日)
- 目安:役所(死亡届は通常7日以内に提出)/健康保険・年金・介護保険/公共料金
- やること:
- 代表者が手続きの受け皿になる(書類を集め、写真で家族に共有)
- 口座引落しは止める→名義変更の順でOK(詳細は後日でよい)
- 安心メモ:窓口で「必要な書類の一覧を紙でもらえますか?」と聞くと、やる順番が見える
困りごと→解法
- 平日昼に動けない→ 役所の時間外窓口や郵送手続きの可否を電話で確認。必要書類を家族内で分担。
- 銀行口座が凍結され、葬儀費用が心配→ 立替者を決め、領収書は全て保管。一部銀行には葬儀費用の払い戻し制度があるため、後日問い合わせ。
- 遺言書っぽいものを見つけた→ 開封しない。写真を撮って日付入りで保管し、家庭裁判所の検認が必要か後日確認。
- 公共料金やサブスクが止められない→ まず停止の申込みだけ先に。名義変更や解約は後日でOK。
会話例(窓口へ)
あなた:「必要書類の一覧を紙でいただけますか。郵送での手続き方法も教えてください」
5) お金の出入りのメモ(継続)
- やること:立替えた費用・受け取った香典などを1行メモで良いので記録
- 安心メモ:「あとでまとめればいい」ではなく、その場でスマホに1行が負担軽減
困りごと→解法
- 香典帳が作れない→ 封筒の表だけ撮影→アルバムに「香典」フォルダ。後日まとめる。
- レシートが散らばる→ クリアファイルに“未整理”と書いて突っ込む運用でOK。週末に10分だけ整理。
現場で役立つ“ひとことテンプレ”
- 「今日はここまでで大丈夫です。続きは明日お願いします」
- 「合計だけの目安を先に教えてください。内訳は後日で」
- 「必要書類の一覧を紙でもらえますか?」
- 「いまは停止だけお願いします。名義変更は後日にします」
ここまでできれば十分です。相続放棄や税の話は、落ち着いてから。別記事で順番に案内します。
それ以降は、必要なときに読む(案内だけ)
- 相続放棄・限定承認の判断 → /inheritance/renunciation/
- 遺産分割と不動産 → /inheritance/real-estate/
- 相続税の基礎と期限 → /inheritance/tax/
- 年金・保険の詳しい手続き → /inheritance/pensions-insurance/
FAQ
Q. 何から手をつければいいか分からない
A. 今日やる3つだけで十分です。残りは明日以降でOK。
Q. お金の話をするのが気まずい
A. まずは所在だけ。残高や配分は後日で大丈夫です。
Q. 兄弟で意見が割れる
A. 代表者を1人決め、役割を小分けに。進捗は1行共有に統一しましょう。
Q. 泣いてしまって進まない
A. それでいいです。ページを閉じて、また戻ってきてください。
このページはいつ来ても“今日やる3つ”から再開できるように作っています。
最終更新日:2025-11-06