はじめに:制度を知ることが“安心”につながる
介護や病気の備えは、「お金」だけでなく「制度」を知っているかどうかで差が出ます。
制度は少し複雑ですが、知っておくだけで数万円単位の負担を減らせることもあります。
この記事では、親世代に関係する主な医療・介護制度を、家族が理解しやすいように整理しました。
① 介護保険制度
介護が必要になったときに利用できる最も基本の制度です。
ポイント:
40歳以上で自動加入(保険料天引き)
「要介護認定」を受けると、サービスを1〜3割負担で利用できる
対象:デイサービス、訪問介護、福祉用具、住宅改修など
💡 詳しくは:「介護保険でできること・できないこと」をチェック。
② 高額介護サービス費制度
1ヶ月の介護費が高額になったとき、上限を超えた分が払い戻される制度です。
目安の上限額(1人あたり/月)
所得区分 | 上限額 |
---|---|
一般世帯 | 約44,400円 |
現役並み所得者 | 約93,000円 |
低所得世帯 | 約15,000円〜24,600円 |
申請先:市区町村の介護保険課
③ 高額医療費制度
医療費が一定額を超えたとき、超過分が払い戻される制度です。
入院・通院どちらも対象になります。
例:70歳以上・一般所得者の場合
→ 月額上限 約44,400円
医療と介護を併用している場合は、
**「高額医療・高額介護合算制度」**でさらに軽減されます。
④ 医療費控除(確定申告で戻るお金)
介護や通院などで年間の医療費が10万円を超えた場合、
確定申告で一部が還付されることがあります。
対象になる例:
通院や入院費
介護サービスの一部
医療目的のタクシー代
医師の指示による治療用の購入費
医療費の領収書は1年分まとめて保管しておくと安心です。
⑤ 介護保険負担限度額認定制度
施設利用時の食費・居住費を軽減できる制度です。
対象は所得が低い高齢者。
必要書類:
認定申請書
介護保険証
収入・資産証明(預金通帳など)
「お金が足りないから施設に入れない」という不安を防ぐ仕組みです。
⑥ 成年後見制度
判断能力が低下した高齢者の代わりに、
家族や専門家が法律的・金銭的なサポートを行う制度です。
銀行・契約・不動産の手続きなどを代行可能
家族が後見人になる場合と、第三者が就任する場合がある
家庭裁判所への申立てが必要
💡 判断力が落ちてからでは遅いこともあるため、
早めに検討しておくとスムーズです。
⑦ その他の助成・支援制度
地域によって、次のような支援も受けられます👇
介護タクシー・福祉タクシー券
紙おむつ代助成
福祉用具購入補助
医療費助成(高齢者医療制度など)
市区町村の福祉課・包括支援センターに相談すると、
地域限定の制度も紹介してもらえます。
おわりに:制度を“知っておくだけ”でも助かる
制度は複雑に見えますが、
「存在を知っているかどうか」で負担がまったく違います。
完璧に覚える必要はありません。
「何かあったら相談できる窓口がある」
そう思えるだけで、家族の安心は大きくなります🌿
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